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オペなびとは

診療所の先生より、手術などで紹介していただいた患者さんを対象にしたものです。「どんな手術なんだろう」「入院期間や入院費はいくらぐらいなんだろう」と疑問、不安に代表的な疾患の総合診療計画書や画像を掲載しています。お役立てください。

腹腔鏡手術とは

腹腔鏡下手術というと、創(きず)は小さく美容的に優れ、手術のダメージも少なく、入院期間も短縮され、社会復帰も早くなるという、イメージをお持ちの方が多いと思います。また、開腹手術より、何となく危険で合併症が多いと思っている方もいるかもしれません。
内視鏡手術の最大のメリットは拡大視野下でのより繊細な手技が可能なことです。4K内視鏡システムでは解像度が肉眼の5倍〜10倍で出血量も少なく、より安全な手術手技を展開することができます。デメリットや合併症に関しても手術前に説明します。(下記参照)

子宮筋腫の手術

子宮筋腫があるだけでは手術の適応はありません。+α(過多月経、貧血、圧迫症状、挙児希望)の症状がある場合、症状軽減目的に手術を行います。挙児希望や子宮温存希望の方は筋腫のみを核出し、根治を希望する方は全摘出を行います。また、粘膜下に突出した筋腫は子宮鏡を用いて切除します。
貧血を認める場合や臍より大きい筋腫などでは手術の前に月経を止めたり、縮小効果を期待し、偽閉経療法を用いることもあります。
○腹腔鏡下筋腫核出術、腹腔鏡下子宮全摘出術
○退院目標は術後5日目です。

卵巣のう腫の手術

月経周期で4cm程度までは機能性黄体のう胞といって生理的なものもありますが、5cmを超えてくると手術適応となります。内容物は水(漿液)、粘液、脂、髪の毛、血液など様々なものがあります。手術前にはMRI画像や腫瘍マーカーを検索し、性状や悪性かどうかなどを診断します。悪性が疑われる場合は腹腔鏡の適応ではなく、開腹手術を行います。
○腹腔鏡下のう腫核出術、腹腔鏡下のう腫摘出術
○退院目標は術後3日目です。

骨盤臓器脱手術

子宮や膀胱、直腸が下がってくる状態を骨盤臓器脱(POP)と言います。頻尿、尿失禁、尿閉などの下部尿路症状(LUTS)を伴うことも多く、QOLを低下させます。骨盤底筋体操やペッサリーなどの保存的療法の他に、手術療法としては膣式に行うものと腹腔鏡下で行うものがあります。症状や年齢に合わせて最適な治療を選択し提供します。
○腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)、膣式メッシュ手術、完全膣閉鎖術
○LSC退院目標は術後5日目です。

腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術

子宮体がん初期の患者さんも腹腔鏡下手術の適応となりました。子宮筋腫とは異なり、子宮を拡大して摘出し、骨盤のリンパ節を郭清する場合もあります。組織像や腫瘍の拡がりによっては、開腹手術へ移行します。創部整容性よりも根治性を重視した治療を行います。手術前にMRI画像や腫瘍マーカーを検索し、治療計画に関して説明します。
○腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がん)
○退院目標は術後7日目〜10日目です。

帝王切開手術とは

前回帝王切開や筋腫手術を受けた方が予定される帝王切開と分娩の際、母体と胎児のリスクが高いと判断された場合に緊急に選択される帝王切開があります。通常は腰椎麻酔をかけて行いますが、緊急帝王切開の場合は全身麻酔で行う場合もあります。帝王切開も立派な分娩です。不安なことがあれば、相談してください。
○帝王切開(腰椎麻酔での予定帝王切開)
○退院目標は術後6日目です